rainDROPSrain’s diary

雨女のだらだらブログ。

雨女、アブノーマルな知識が増えた

*ゴリゴリにネタバレしてますのでご注意を*

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むかしむかし好きなひとがいた。
わたしはその人から教わった杏仁豆腐みたいな味のリキュールを今でも常備している。魔法みたいに美味しい。

 

彼がいろんなことを話してくれた時、なんにも言ってないのにそうじゃないって言ってから話を進めたことが頭にすごく残っていて胸が痛む。彼はとっても優しくてクレバーで、そして当然とても繊細だった。
その時わたしは彼の手で暖を取っていて、綺麗に切り揃えられた綺麗な5個の爪が乗っている綺麗な右手を見てた。その手も覚えているしその日1日どちらが左側を勝ち取るかのジャンケンでわたしが負けた事ももちろん覚えてる。私達はお互い、右手より左手をよく使う。

 

男が好きで女が好きで、人も動物もお花も、生きているもの全てが好きな人だった。
男も女も好きなんて普通の事なのになんで人は可笑しがるんだろう。

 


 

さて長らく時を経て2016年11月末。
わたしは新宿歌舞伎町の一角にあるライブハウスで
『あきれるほどエロティック❤️コメディミュージカル フィフティシェイズ!〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜』
とかいうふざけt  ナイスな題名のコメディミュージカルを観ることになる。原作はシリーズで1億冊も売れている官能小説だ。マミーポルノ?っていうジャンル?らしい。

ライブハウスで舞台を見たのも酒キメながら舞台観たのもR指定の舞台を観たのも初めてだった。3つも初体験を奪われてしまって単純に悔しい。

www.ktv.jp

 

文ちゃんが出るえっちな舞台、って位の情報でフラッと行ったらこれがまぁーー大当たり。

文ちゃんヤベェ!!超笑ったむりwwww って舞台だった。

面白いだけの舞台。まじどうでもよすぎて感想とかない。

浜中文一くん演じる大企業のCEOで大富豪のクリスチャン・グレイと玉置成実嬢演じる平凡なJD4アナスタシア・スティール(トップスキル:処女)。*1
すっっっごく簡単に要約して意訳すれば「クリスチャンが アナに性奴隷になるという契約書にサインしてもらうまでの話」。


アナのルームメイトであり大親友のキャサリン・キャヴァナー(以下ケイト)がやっとの思いでこぎつけたクリスチャンへのインタビュー当日、ケイトが体調を崩してしまいアナが代わりに行く事になり二人は出会う事になる。

質問は全てここに書いてあるというノートをケイトから受け取るも、140何キロ先のシアトルへ車を走らせなければならない為クリスチャンについてのあれこれやインタビュー内容についての予習は出来ない。

インタビューで「あなたはホモですか?」とノートに書いてあるまま質問してしまう成実アナ「こんなにリッチでセクシーな人がモーホーじゃなかったら完璧すぎるじゃない!!」モーwホーwww *2 *3 

アナはクリスチャンに一目惚れ。でもクリスチャンは僕を好きになるなと警告。「僕は恋愛しない」「メイクラブはただのファック」。クリスチャンもアナを気に入っているのだが、女としてではなく服従者としてのアナをほしがっている。*4

クリスチャンは支配者(ドミナント)と服従者(サブミッシブ)としての契約を結びたいとアナに持ちかける。クリスチャン「その他の関係に興味はない」。

クリスチャンはアナに契約書を渡す。それが一言でいえば「クリスチャンの性奴隷になる事に同意する」という分厚い契約書。*5

クリスチャン文一「そこにはわたしがどんな変態プレイをしたいかという事が山程書いてある」(ニュアンス)

 

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舞台上では詳しく話されないドミナントサブミッシブの話を出してしまったのでちょっと原作の話。原作ではどちらかといえばネグレクトの問題や心の闇やそういったものが絡んだ恋愛小説で、官能小説という官能小説ではない気もする。官能小説ってきちんと読んだ事ないからわかんない。

まぁBDSMの世界が乗ってきてるしだいぶ官能要素も多いけど。まじで性欲の権化。性欲の擬人化。外国の話で良かった。。

普段高圧的で傲慢で自信たっぷりの支配魔コントロール・フリークのクリスチャンがアナに翻弄されたり嫉妬してブチギレたりプレゼント魔だったりデート楽しそうだったり普通に優しかったり、他人と一緒に眠ったのも自分のベッドでセックスしたのも…きみだけだよ *6 って言ったり、かっ…かわいいとこある~!!みたいなとこがそっち方面の人達にも受けそう。*7 

 

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ぽつぽつ舞台の備忘録。(突然)

 

ただただ下品な下ネタのセリフが飛び交う舞台上。アナ「いちいち下品ね…!」SORENA

讃えよジェシカwwwww

劇中ちょこちょこ関西弁出てくるんだけどそれもいい。ラブコメ感増す。めっちゃいい。大阪公演もっと盛り上がりそう。大阪公演少なくない!?勿体なすぎる。追加公演やるべき。

とにかく浜中文一が纏ってる空気がすごい。正直文ちゃんの事は全然知らなかったけど、空気感については登場シーンからこいつぁすげぇや!!って即座に屈服した。勝てない。変態の役をこんなにさらっとからっと。みんな言ってるけど文ちゃんにしかできないだろうなって。素敵なクリスチャンに出来上がってる。

あ、あと顔と身体が綺麗。

生バンドなのもいいし曲も全部いい!歌いたい。歌えるような歌詞じゃないのが更に良さを引き立ててる。♪よりどりみどりさ 大人のおもちゃ♪

10月、茶沢通りにいた幼なじみの腐れ縁インザレインの透明な尊さに泣いてたふみとつ担1ヶ月後同じ通りでファックされて頭が追いつかない。。コンビニバイト(ハンサム)と元予備校教師(イケメン) VS 大企業CEO(アブノーマル)?どうなってんだ茶沢通り!たまんねぇな!!

ミュージカルなので下ネタに綺麗で強いメロディーやコミカルな音とリズムとダンスがつく。♩♩さて一番のお気に入りは〜ぁ〜?フィストファック!!!!!!だめ反則面白すぎる 歌上手いむりしぬ

「There is hole in side me.」「歌が始まるんだね。流暢な英語が出てきたら決まって歌が始まる」突然のミュージカルあるある

文ちゃんの衣装ずるい。あの陶器みたいに綺麗な顔と表情であの衣装はずるい。スーツ姿もめっちゃかっこいいのにそんなのほんとどうでもいい。友人「つるっつるのフレディや!!」わたしが見たテレビ誌、しっかりこの衣装のネタバレ回避しててクソワロ。他のには載ってるのかな。。

あとほんと全員無駄に歌が上手いのがヤバい。本気。玉置成実ちゃん言わずもがな歌上手いし演技がいいわぁ〜すっごい好きになっちゃった。真面目にくだらないの面白すぎる。大澄賢也様「そもそも俺がなぜここに?」ほんとだよホセ・ロドリゲス!キャッツアイみたいな主婦たち歌上手いのほんと反則。
才能の無駄使いエンターテイメント最高すぎる。カロリー高いものが美味しいのと一緒でくだらないことはこんなにも面白い!!

アフタートークで演出家の河原さんが「酒飲みながら観れるやつ(舞台やエンタメ)もあるってこと」みたいに言ってたのがよかった。酒飲みながら言ってた。

「僕らこれ忘年会だと思って演ってますからね。でもこの出し物めっちゃ練習したんで」出し物、笑 *8

 

もっかいいうけど、あ~~超笑った~~!!wwwwって感じの舞台だった。終わり方もよかったし。まごうことなきラブコメだった。

ここ数年頭使ったり心すり減らしたりする舞台ばっかり観に行ってたもんで久々にどうでもいい面白いだけの舞台観ちゃって最高だった。

文一担羨ましい。ダビデ像みたいに綺麗な浜中文一ほんと早く世間に見つかれ いやもう見つかってるのかな知らないけど もっと売れてくれ

 

舞台帰りに原作の文庫本の上巻を買ったら面白すぎて11/28の夜に舞台観て12/3の午前中に上中下巻3冊読了。さすがシリーズ売上一億冊パワー。ちなみにその勢いで映画も観た、とにかくアナがかわいくて美人で目がすっごい綺麗で、劇中のセットや小道具大道具が素晴らしく素敵な世界観で特典映像盛りだくさんで面白かった。*9 あちらの世界に少しばかり詳しくなってしまったわ

フィフティシェイズシリーズ結局全部読んだけど、最後ほんとうによかった。良かったね。。原作はすべてアナ目線で書かれているのだけれど、最後にクリスチャン目線で書かれたものが2本はいっていてそれもまぁ良くて結局グレイも読まなきゃいけなくなってしまった。商戦ェ。。

 

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小説クリスチャンがなんとなく聞いた事があるようなセリフを放つ。

「お互いの喜びの為さ」「君が喜ぶ顔がみたいんだ」「苦痛と快感はほとんど同じだよ」
…?点と点がつながる音がした。

わたしはクリスチャンを知っている?あの人はクリスチャンだ。

クリスチャンだったんだ。
涙が出そうになった。

自分が人を救えたかもだなんてびっくりするくらい傲慢だけれど、ほんとうにそう思う。せめて作中のクリスチャンが救われてくれてよかった。

もう何を思っても意味がないけれど、ただ、わたしがしてあげられる事が何かあったかもしれない、今なら、ってぼんやり思う。ただプレイについては交渉が必要よ。レイターズベイビー!

 

冬は彼を思い出す。今後は文ちゃんの事も一緒に思い出すことになりそうだけど。
彼が次この世に足をつけるときは、世間が 彼が望んだ"普通"の男の子に生まれてきますようにって祈って、わたしは今日もアマレットを舐める。

 

 

*1:クリスチャンがウソだろ!?こんな逸材が処女!?っつって「問題(処女な事)を解決する」とアナをベッドへ引っ張っていくところが好き。クリスチャン「今まで何をしてた?」アナ「待ってた」

*2:原作ではこの質問がクリスチャンにとってもアナにとってもわりとやっかいなもので物語が始まる重要なものなのだが舞台ではそうでもないし、原作でも映画でもホモですか?ではなくてもちろんゲイですか?と日本語訳。

*3:ちなみに原作と映画だと、分刻みで仕事のスケジュールが組まれているCEOはお忙しいのでインタビューに与えられた時間はとても短いのだがアナともっと話がしたいクリスチャンは終了時刻がきてもインタビューを止めず、次の会議を音速の速さでキャンセルする。ここも好き

*4:と思っている。

*5:劇中では多分このくらいサックリした設定。

*6:映画だと「、………only you.」ってアナの顔両手で包みながら言うんだけどそれが普通のラブストーリーっぽくて超いい

*7:小説で、アナ「帰るの?」クリスチャン「帰る。大丈夫か?」アナ「大丈夫」ってシーンがあってクリスチャンが帰っちゃったあとアナ号泣するんだけど結局クリスチャンが戻ってきてアナが泣いてるの知ってめっちゃ焦りながらおろおろ「何故泣いている?大丈夫かと聞いたとき君は大丈夫だと答えた」とかいうんだけどここもめっちゃ好き

*8:アフタートーク、関テレの方が司会だったんだけどこの方がまぁドMっぽくてすごかった(どうでもいい)。お誕生日をお祝いしてもらって感極まってた。かわいい。

*9:クリスチャンの秘密の道具たち、監督「彼ならどうする?って考えたときに、彼なら絶対に高くても質のいいものを日本から取り寄せるって思ったの」おっふ 誇り高きメイドインジャパンブランド☆